もらった餅を川に捨てる
江戸城無血開城の立役者である勝海舟は、幼い頃から貧乏暮らしを送っていました。
結婚してからも生活は苦しく、ある年の暮れには家で餅をつくお金すらなかったため、親類の家に餅をもらいに行きました。
ところが、その帰り道で通った両国橋の上で、親類の施しを受ける自分をかえりみて情けなくなり、もらった餅を川に投げ込んだと言います。
物を粗末にするのは良くありませんが、他人からの施しを警戒した勝海舟には開運のセンスがあります。
他人からの施しが運を下げることもある
他人から施しを受けることで、自分の運を下げてしまう場合があります。
それは施しを受けたことに対して、情けなさや惨めさを感じた場合です。
そうした自己否定的な感情は、自信や行動力を低下させ、その結果として運の巡りも悪くなります。
もちろん、施しを受けることが常に悪いわけではありません。
そもそも、人に施し徳を積むことが開運になると言われているのに、その施しを受けた側の運が下がるとしたら、施しなんてしない方が良いという理屈になってしまいます。
運は主観で決まる
本当に生活に困っていたり、すでに心が折れていて一人では立ち直れなかったりするのなら、開運のことは気にせずに、人に頼るべきです。
また、施しには、「この人には光る物があるから世に出るように協力したい」という引き立てのニュアンスを含む場合もあります。
こうした場合は、その施しを素直に受けることが開運になります。
しかし、勝海舟のように施しを受けたこと対して、「惨めだ」「情けない」と感じたのならば、それ以上の施しを受けるのは避けた方が賢明です。
このように運というのは、「施しを受けた」という客観よりも、「施しを受けたことをどう思ったか、どう感じたか」という主観で決まります。