タデウス・ゴラス『なまけ者のさとり方』に、「宇宙は一種類のものでできている」という言及があります。
この宇宙はそれが何であるかはともかく、ただ一種類のものからできています。それが何かは、実は定義できません。それに、ここではせんさくする必要もないのです。宇宙には一種類のものしか存在しないと仮定すると、はたしてこの世界をうまく説明できるのかどうかを見てゆくのが、この本の目的なのです。
(タデウス・ゴラス『なまけ者のさとり方』PHP文庫P.23)
「宇宙は一種類のものでできている」ということを前提にすると、私たちはあらゆるものの間で「交換」ができるようになります。
たとえば、どんな交換ができるようになるかというと、「仕事」と「プライベートの人間関係」の交換です。
私たちは「仕事の出来不出来は、仕事の進め方や仕事上の人間関係で決まる」と考えがちです。
しかし、実際は自分の親子関係や夫婦関係や友人関係が、仕事の出来不出来に強く影響しており、そうしたプライベートの人間関係を改めることで、仕事で良い結果が生まれることはよくあります。
また、その反対に仕事に対する考え方を改めることで、プライベートの人間関係が改善されることもあります。
これが「仕事」と「プライベートの人間関係」が交換可能であるということです。
そして、この交換可能な要素は、「仕事」と「プライベートの人間関係」だけに限りません。
生年月日、姓名、住んでいる場所、住んでいる建物、知識、技術、親子関係、家族関係、友人関係、生活用品、趣味の道具、衣類、アクセサリーなど、自分に関わるすべてが交換可能です。
そして、それを交換可能だと認識させてくれるのが、「宇宙は一種類のものでできている」というアイディアです。
「仕事を仕事だけで考えない」「プライベートをプライベートだけで考えない」といったことができるようになるだけでも、私たちは自由度が高まり、今まで浮かばなかった発想が浮かび、今まで取れなかった行動が取れるようになります。