自分のスタイルを持つことが開運になる:サマセット・モームに学ぶ人生のステージを上げる方法

アメリカ兵からもらった手紙

イギリスの文豪サマセット・モームは、自身の75歳の誕生日会で「今までに一番嬉しかったことは何か?」と友人に尋ねられ、次のように答えました。

「従軍中のアメリカ兵から手紙をもらったことだ。その手紙には『あなたの作品を通読したが、一度も辞書の世話にならずにすみました。ありがとう』と書いてあった。私はそのとき、文学者としてこれ以上の喜びはないと思ったものだ」

サマセット・モームは、知識人だけでなく大衆にも広く読まれたイギリスの国民的作家です。

彼の作品が大衆に支持された理由に、「シンプルで分かりやすい文章」ということが挙げられます。

そして、このシンプルで分かりやすい文章を書くことは、彼のスタイルでもありました。

自分のスタイルと社会のニーズを一致させる

仕事において、自分のスタイルと社会のニーズが一致するポイントを見つけることは、開運に欠かせない要素の一つです。

「あなたのお陰で助かりました」
「あなたのお陰で人生が変わりました」
「あなたの作品に本当に感動しました」

自分のスタイルが他者に受け入れられて感謝されたとき、私たちは「これで良いのだ」という強い自信と行動力を手に入れます。

その行動力はさらにより多くの他者を巻き込み、自分の仕事だけでなく人生そのものを今よりも一段高いステージに登らせてくれます。

反対に、自分のスタイルと社会のニーズを一致させる作業を怠ると、自分のやり方にこだわりすぎて人気を得られなかったり、人気取りに走りすぎて自分を見失ったりします。

この仕組みに長い間気づかずに停滞して、思い悩んでしまう人間は少なくありません。

できること」と「できないこと」を見極める

スタイルは自分の得手不得手、つまり「できること」と「できないこと」を分けることで明らかになります。

サマセット・モームはシンプルで分かりやすい文章を書くことを得意としましたが、同時に「比喩や装飾の才能は自分にはない」とも打ち明けています。

「体を動かすのは得意だけど、頭を使うのは苦手」
「一対一で相手をするのは得意だけど、大勢を相手にするのは苦手」
「物作りは得意だけど、人を相手にするのは苦手」

こうした自分の傾向に気づき、自分のスタイルを確立することは、どれだけ時間をかけてでもやる価値があります。