ジョン・マクドナルドの『マスターの教え』では、「集中力」「平和」「成功」「勇気」といったポジティブな単語を集めたリストが紹介されていて、そのリストから気になる単語を選んで繰り返し唱えるように指示があります。
私たちは自分の言動に対して、その内容が妥当かどうかを常に確認しています。
そのため、「私は必ず仕事で成功する」と文章で宣言しても、「いや、そんなことは無理だ」と否定的な思考が浮かびがちです。
しかし、文章で宣言するのではなく、「成功」という単語を繰り返し唱えるだけならば、このセルフチェックと否定的な思考を回避できます。
「私は⋯⋯だ」とリストの言葉を使って宣言するのは、あなたの心の状態が前向きになっていて、しかも、自分がくり返し唱えていることに、完全な確信を持っている時だけにかぎってください。たとえば、もしあなたが「私は力である」と宣言する時、あなたの「内なる心」は、「外なる心」から、否定と疑いの攻撃にさらされます。しかし、ただリストの言葉だけ、たとえば、「力」という言葉を自分にくり返し呼びかけるのであれば、宣言ということになりませんから、「外なる心」も否定したり、疑ったりはしないでしょう。
(ジョン・マクドナルド『マスターの教え』飛鳥新社P105-106)
このテクニックは、新しい分野を学ぶときに役立ちます。
たとえば、私たちがお金で困るのは、お金の仕組みを知らないからです。
だからといって、「私はお金をたくさん手に入れます」といきなり宣言しても、「いや、そんなことは無理だ」と否定的な思考が浮かんでしまいます。
しかし、「お金」という単語を繰り返し唱えるだけならば否定的な思考は浮かばず、なおかつ、お金について意識のアンテナを張ることができ、日常生活を通してお金に関するヒントを手に入れたり、過去の体験を思い出してお金に対する教訓を得たりすることができるようになります。
「自分はまだそのことについて詳しくないが、今の自分にはそれが必要な気がする」といった段階では、自分が興味を惹かれる単語を特定して、その単語を繰り返し唱えてみてください。