私のある相談者は、自分が尊敬する上司が取引先との契約書について、「全然勘所が働かないので、シビアに確認するポイントがあったら教えてください」と取引先に素直に聞いているのを見て、新鮮な驚きを覚えたと言います。なぜなら、その相談者は分からないことがあったときに、「自分で把握しなければならない」と抱え込む傾向があったからです。
仕事ができるということについて、私たちは「何でも知っていて、何でもできて、何でも一人で対応できる」というスーパーマン思考を持ってしまうことがあります。しかし、そんなのは土台無理な話です。どれだけ年数を重ねて、知識を深めて、技術を磨いても、分からないことや判断がつかないことは、減ることはあったとしても、なくなることはありません。相手がいるならば、尚更です。
自分の抱え込む癖に気づこうとすれば、ストレスを減らせます。分からない部分を相手と共有すれば、その分だけ物事も早く進みます。「分かりません」と正直に言ったら、幻滅されたり評価が下がったりするかもしれないと思うかもしれませんが、この世は誰にとっても分からないことだらけです。誰かが「分かりません」と言ってきたときに、自分がその人に幻滅したり評価を下げたりしなかったことを思い出せば、分からないときは「分かりません」と素直に言えるようになります。