古典を読むことが開運になる理由

日産自動車を創業した昭和の重工業王・鮎川義介は、中国の歴史書『十八史略』を愛読していました。鮎川はこの本を単なる歴史書としてではなく、人間理解を深める教材として捉えていました。

十八史略には4500人以上の人物が登場し、一人ひとりの性格や行動も異なるため、「繰り返し読むことで人間理解が深まる」と鮎川は考えていました。また、人に薦める際も「ただ古い歴史書を読むつもりで読んでも意味がない」と助言したといいます。

十八史略は14世紀初頭に刊行され、700年以上読まれてきた古典です。数百年あるいは一千年といった時の試練に耐えた古典には、「書かれている知識や方法を参考にする」という通常の枠組みを超えた、人類に対する普遍的な影響力があります。

ナポレオンのセントヘレナ島での談話として刊行された記録には、「福音書は書物ではない。それは生きた存在であり、働きと力を備え、その広がりに抵抗するものすべてに浸透していく」という彼の言葉が残っています。これは聖書についての言葉ですが、古典が読者の価値観そのものに働きかける感覚をよく表しています。

古典を愛読することは、人間観や人生観や世界観といった価値観そのものを揺るがし、読むことそのものが開運になるような深い読書体験をもたらします。運を開き、ひとかどの人間になりたいと望んでいるならば、『十八史略』に限らず『聖書』『老子』『スッタニパータ』といった古典から、どれか一つを選んで繰り返し読むことをおすすめします。