願望実現によって手に入るのは、自分が思い描いた対象そのものではなく、それをある程度抽象化したものになります。もしそうでなければ、車が欲しいと思ったときには車台番号まで一致した車を、お金が欲しいと思ったときには記番号まで一致した紙幣を手に入れることになります。また、願う際にも、そのように具体的に指定しなくてはなりません。
しかし、実際はそこまで具体的に望まなくても、願望は実現します。これはつまり、願望として実現するのは、対象を対象たらしめている特徴と、その特徴によって得られる体験やフィーリングであることを示しています。たとえば、ある女優を恋人にしたいと願ったとき、実際に現れるのはその女優本人ではなく、その女優のような魅力を備えた別の人かもしれないということです。
「少しのズレも許せないせこい人間になってたよ」という有名な歌詞がありますが、自分の望みに対して「そのもの」だけに固執せず、「○○のようなもの」を受け入れることは、願望実現において大切な心構えです。